JORDAN BASKETBALL CLINIC Presented by ZONE OF HOOPS+

『JORDAN BASKETBALL CLINIC Presented by ZONE OF HOOPS+』(ジョーダンバスケットボールクリニック)が、2024年4月13日(土)に、茨城県笠間市の笠間市民体育館で男女合わせて126名(12チーム)が参加して行われました。その模様をお届けします。

当日は午前が小学生の部、午後は中学生の部という形で2回のクリニックが行われ、元日本代表でシューティングガードとしてBリーグの得点王に3度輝いている川村卓也さんがゲストコーチとして招かれました。

最初に行われた小学生の部には、女子34名(渡里ミニバス、友部ミニバス、みのりミニバス)、男子 37名(友部ミニバス、岩間ミニバス、笠間ミニバス)の計71名(6チーム)が参加。川村さんが考案した練習メニューは、(A)対面シュート、(B)1on1、(C)ドリブルからのシュート練習、(D)2on1または2on2の4種類で、選手達が4箇所に分かれて各メニューを12分程度行ってから移動していく形(巡回する)で行われました。

(A)の対面シュートでは、選手達がゴール正面、右サイド、左サイドに分かれてシュート練習を行いました。最初はキャッチ&シュート、次にシュートを決めることができた選手はパスを受けてワンドリブルからのシュート、最後にパスを受けてリジェクトからのシュートという流れで3つのメニューが実施されました。ドリブルからのシュートではレイアップ、そのほかはジャンプシュートで選手達は熱心に取り組んでいました。

練習を見ていた川村さんは「良いシュートを打てることは凄く重要。ポイントは、手だけで直線的にボールを飛ばすのではなく膝の曲げ伸ばし(力)を上手く使って、綺麗なアーチ(放物線)を描くような軌道のシュートを打つよう意識して練習することです。シュートを打った後に手がしっかりゴールに向いていることも大切。現状では膝を上手く使えていない子が多いから、そこを改善していければ」と分析していました。

さらに、後半には参加チームの監督さんや川村さんがディフェンス役となってコートに立ち、そこをドリブルやリジェクト、ロールターンなどで抜いてからシュートを打つ練習なども行われました。「同じメニューだけでは単調になるので慣れてきた頃に変化をつけて、より実践的な練習を取り入れました。ディフェンスは基本壁として立っている形ですが、抜くという流れからシュートを打つことで試合でのシチュエーションに近くなるのがポイントです」と意図を話してくれました。

さらに、(B)1on1は両サイドに分かれ、オフェンスとディフェンスが1回終わったらペアを入れ替えながら色々な選手と対戦する形で実施されました。練習について川村さんは「1on1では、オフェンスは単にドリブルを数多くするだけではなく、できるだけフェイクや駆け引きなどを上手くいれながら、試合で使えるような実践的なシチュエーションで行うことが大切です。できればドリブルは3~5回までで勝負を決められるのが理想的。シュートはレイアップ、ジャンプシュートのどちらでもオーケーですが可能な限りレイアップに行けるように打開して欲しいですね。また、ディフェンスはミドルライン側を抜かれないこと、ペイントエリア内にオフェンスを入れないように頑張ることを意識するのがポイントです」と意図を説明してくれました。

選手達が練習に慣れてきた段階で、ここでも川村さんがディフェンス役に。多くの子供達が川村さんとの1対1を楽しんでいる様子で、随所に笑顔が見られました。「それぞれの選手の限界を見極めながらギリギリまでディフェンスして、最後は抜いてシュートまで行けるように守ることで子供達に成功体験やゴールする楽しさを感じてもらえたら」と川村さん。

そして、(C)ドリブルからのシュート練習では、トップ(真ん中)、右ウイング、左ウイングに分かれてレーンを作成。チーム監督やコーチがディフェンス役の壁となり、選手達はドリブルしながらクロスオーバーで右側と左側から交互にディフェンスを抜いてシュートを打つ、という形で行われました。選手達は3レーンを回りながら、トップでフロントチェンジ、右ウイングでレッグスルー、左ウイングでバックビハインドの3種類のドリブルを実施。シュートはトップのレーンがレイアップ、そのほかはジャンプシュートです。

川村さんは練習のポイントについて「大切なのはドリブルが弱くならないように行うことです。常に強くボールをつけるように意識します。さらにクロスオーバーでは、しっかり幅を持たせたドリブルが重要です。選手達が慣れてきたら、すべてのレーンで3種類のドリブルをミックスした形で行うことで、より個人技を高めていきます」と教えてくれました。
ここでも川村さんがディフェンス役の壁となって子供達に熱心に指導を行っている姿が見られました。印象的だったのは、川村さんが選手達の身長に合わせて手の高さなどを調節し壁の効果がしっかり出るようにディフェンス役を行っていた点です。一つ一つの練習を最大限に生かす形にしているのは流石でした。

(D)の2on1または2on2は、(A)~(C)で行ってきた練習の応用編で実践的な練習となります。オフェンスは2人でパスやドリブルなどを交えながら攻めて、ディフェンスは、オフェンスがハーフラインを超えたあたりから付いていきます。最初は2on1で選手達の動きを見て、こなせそうであれば2on2へ移行。レベルの高い子供達には途中からディフェンスがクロスして守る形なども行われました。

「2on2は、シュート、パス、ドリブルなどで打開する練習の応用編としての位置付けです。より実践的なメニューになりますが、小学生の場合は技術的に難しい場合も出てきます。そこで、まずは2on1で、(A)~(C)までのオフェンス練習が生かされる形にして、子供達が充実感を持てるようにしました。そのうえで実力的に問題なければ2on2の練習を取り入れました」と狙いを教えてくれました。

練習の最後には、ゴールを決めた選手が帽子やソックスなどの賞品をゲットできるフリースロー対決も行われ、この日一番の盛り上がりに。「クリニックは楽しめるのがポイントだと考えています。ゲーム性がある対決は白熱しますし、子供達もうれしいと思いますね。今回参加して楽しかった、チームに戻ってまた頑張ろう! と思ってもらえるような機会になるのが理想です」と川村さんは午前中の練習を振り返っていました。

(次のページへ続く)

1

2 3

関連記事

TOP